2018/3/16 七福神の信仰と美術 駒沢大学/村松哲史

仏像の種類

 如来

 菩薩

 明王

 天:護法の姿。仏法世界を守る役割があり、本来はヒンドゥー教の神が多い

     弁財天・毘沙門天梵天帝釈天など

    ⇒天を応用した仏像の集団が七福神

七福神とは

 福徳をもたらすとされる、恵比寿・大黒天・美書門店・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋の七上を言う。この信仰は室町時代にさかのぼり、大黒天と恵比寿の信仰が古く、江戸時代に長寿つ浮遊の現世利益を願う庶民信仰に基づいて、仏教・道教神道なだが集合して成立したと考えられる。

 七体の神は『仁王経』に出てくる「七難即滅、七福即生」からとゆう説、あるいは竹林七賢に由来するという説などがある。なお寿老人と福禄寿が同一という考えから、吉祥天を加えることもある

七福神信仰は、淳和難関(1801~04)び流行した時期があり、東京やなかをひじめ日本各地に祀られるゆになった。現在は日本全国で七福神信仰が行なわれている。埼玉では武蔵野七福神秩父七福神・川越七福神・与野七福神など14ヶ所あると言われている。

 

七福神の源流

 七福神は、別々の信仰携帯から日本人が考えだした神仏の集合体であり、源流は異なる。

 ① 恵比寿   日本の神

   恵比寿信仰は、日本の漁業から発生したと考えられている。九州では海中の石をえびす石と称し、東北・北海道ではクジラを恵比寿として安置したり、なかには水死体を祀ったと言う伝説も残っている。

 ② 大黒天 インドの神

   大黒天はサンスクリット語のマハーカーラの音写である。魔訶迦羅天とも称される。ヒンドゥー教のシバ神に起源があるとされ、インドに寺院にて大黒天が食堂の神として安置されている。大国主命と一緒になって、大黒天信仰は広まったと考えられる。

 ③ 毘沙門天 インドの神

   仏教成立以前のブェーダ時代のインドの伝統的な神といわれる。サンスクリット語のヴァイシャヴァナの音写である。多聞天ともいう。四天王の一つ。兜跋毘沙門天は、西域で考案された図像である。

 ④ 弁財天 インドの神

   インドの神話の神、サラソバティーが仏教に受容された神である。ほんらいは神話の川の名称であったが、言葉の神ヴァーチと結びつき、学問幻術の神として信仰されるようになった。

 ⑤ 福禄寿 中国の神

   中国だは南極星のケシと考えられている。短身、長髪で髭が多く、杖を突いており 杖には経巻をつける。多くは弦を従えている。

 ⑥ 寿老人  中国の神(神格化された実在の人物)

   中国宋お元祐年間(1086~1093)に実在した人物。長い頭で杖をつき、杖の上に巻物をつける。うちわを持ち、鹿を連れていたという。     

 ⑦ 布袋 布袋和尚 中国の仏(神格化された実在の僧侶)

   中国唐代松から五代にかけて実在した僧侶。寺に常住せず、杖で袋を担ぎ、乞食をして遊歩していた。通称で布袋師tしょうされたらしく、亡くなった後に 弥勒の化身という伝説がうまれ、中国では弥勒信仰の流行と相まって、布袋と弥勒が同一とゆう解釈が始まった。

 

七福神信仰と日本的な信仰

  インド・中国・日本という国の異なった、しかも信仰の異なった神w一つの集団として組み合わせたところに日本人的な信仰への解釈が伺われる。国際色豊かな信仰形態である。造形的にも、東に伝播する際に変容しており、日本で集大成されたかのようにみられる。

   ⇒異国の神を受け入れる寛容性、福徳というカーワードで異種の神々を結びつける創造性

    これが 日本各地に発展した土壌には、縁起や現世利益への希求があったからであろう。

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与野七福神  Web画像より